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神経衰弱ぎりぎりの女たち(Mujeres Al Borde De Un Ataque De Nervios)
1987年スペイン/監督 ペドロ・アルモドバル

ハチャメャ、ドタバタ物語。なのに、最後はしっかりとまとまり、何だか気分爽快!
多彩な色使い同様、にぎやかに進行する恋愛ドラマ。

初めて観たのは、深夜テレビで、偶然、チャンネルを付けたら素敵なオープニング。
「これは!!」と、一目惚れし、とっさにビデオをセット。
それから何度も観ている。

登場する女性が皆、個性的で素敵!
何度、観ても可笑しく、ちょっぴり切なく。

レストランで“ガスパチョ”をメニューで見ると、思い出してしまう。





この女癖の悪いオジサンの
せいで事件は起こる。
フェルナンド・ギリョン!




カルメン・マウラ演じる主人公(右)の家へ
どんどん人が集まってくる。
左はアントニオ・バンデラス(若い!)




個性的な顔立ちのロッシー・デ・パルマ。
「キカ」「プレタポルテ」「ル・ブレ」
などに出演!




このシーンは、ピストルを突きつけているにも
関わらず、最高に可笑しいシーン。




イカした内装のタクシー。
運ちゃんも最高にイカしたいい奴!



キーワードは「ガスパチョ」
スペインの冷製スープ。


演じるのは


ギリェルモ・モンテシノス。



ゴーストワールド(GHOST WORLD)                                                      
2001年アメリカ/監督 テリー・ツワイゴフ

アメリカのコミックの映画化。
ソーラ・バーチの「私は私」ファッションが大注目で、ヴィジュアル的にまず、目に入った作品。
高校卒業したばかりの仲良し2人組みの転換期。自分の道探し。

何と言っても、ソーラ・バーチわざと的なブサイクさ魅力爆発!
スカーレット・ヨハンソン(男受けするのは、当然こっち)といつまでも一緒だと思っていたけれど、歩む道がズレてきた。
「私だけが何も決まらない…」そんな、不安に駆られる。
観て行く内に、ソーラ扮するイーニドの気持ちがわかってきたり…。

あのラスト。
2つの解釈があるようだけど、私はちょっと憧れた。あんな風になりたい時期があったなぁ…と。
それが、私が解釈したラストシーン。
さて、どちらか…?(笑)





イーニドとレベッカ仲良し2人組み
無事高校卒業!



イーニドが不思議と気になる
イマイチ冴えない中年男に
ブシェーミー!




ここで、衝撃の発見!
ジョッシュ扮するブラッド・レンフロー!



来ないバスを待つ老人。
イーニドはやがて…。



ブラッド・レンフローどこへ行く?

マリファナーで捕まり、一時騒がれていた天才子役。








美少年だった、あの頃…。



太っちゃったよっ!
お〜い!
戻って来〜い!!



新作映画('03)より。
少しは痩せたみたいね。
でも、う〜ん…。




ハイ・フィデリティ(High Fidelity)                                                       
2000年アメリカ/監督 スティーブン・フリアーズ

失恋するから音楽を聴くのか。音楽を聴くから失恋するのか。

中古レコード店の30男の主人、ロブ(ジョン・キューザック)の物語。大人の青春ストーリー。
男の目から見た恋愛モノ。彼が成長していく過程が見事な作品。
そして、中古レコード店を舞台にマニアックな音楽話が満載。
女と音楽。これが無いと生きていけない男たち。
同棲していた彼女が出て行き、その傷を癒すためにそれまでABC順で並べていたレコードを買った順に並べ替えすシーン。
マニアな主人公ならでは。でも、実際、「分かる、分かる」と頷く男性も多数のはず。
「女ってのは、誰かと寝る時のために一番良い下着をとっておくもの…」
女性もドキッとするセリフが出てきたり…(笑)

ジョン・キューザック、昔はすぐ消えちゃうかなぁ〜なんて思っていたけれど、素敵に歳を重ね、キャリアを重ねている。
彼のお姉さん、ジョーン・キューザックも出演。
ここに登場する、
ジャック・ブラックが強烈な個性を発揮!
反対に物静かなディック役のトッド・ルイーゾもめちゃくちゃ気になる!

サントラも大のお気に入り!





中古レコード店で働く面々と
マリー役のリサ・ボネット。



ジョン・キューザックは
主演・共同制作・脚本・音楽監修
を手掛けた。



ジャック様は憎まれ口を叩いてばかりいる
バリー役を好演。劇中、素晴らしい歌を披露!



ユージュアル・サスペクツ(The Usual Suspects)                                              
1995年アメリカ/監督 ブライアン・シンガー

ストーリーを全く知らずに観たのが良かった。

「セブン」でケヴィン・スペイシーが気になり、この作品で好きになった。
チャズ・パルミンテリや
ベニチオ・デル・トロガブリエル・バーンにスティーブン・ボールドウィンにピート・ポスルスウェイト。
クセモノな俳優がずらり!
まだの方は、一度は観て欲しい作品。
カイザー・ソゼ!!が、頭の中でぐるぐる回ってしまう。(これ、お約束)


レザボア・ドッグス(Reservoir Dogs)
1992年アメリカ/監督 クエンティン・タランティーノ 

タランティーノ初監督作品で、ビシバシとツボにハマった。

黒のスーツでメンバーが歩く、流れる音楽はジョン・ベイカー・セレクション「リトル・グリーン・バッグ」。
「かっこいい!」と、誰もが唸ってしまう有名なオープニング。

LAのギャング8人組。
Mr.オレンジのティム・ロスをこの作品で初めて観た。
そして、Mr.ホワイトのハーベイとMr.ブロンドのマイケル・マドセンにハマった。
特に
マイケル・マドセンの切れ具合が最高にイカしていた。

血なまぐささい“情”を描いた男前のドラマ。
あの、ブロンドに捕まった刑事のあの言葉。脇まで最高に「男前」。
シビレます。



                                                 


このオープニングは映画史上歴史的に残る
カッコ良さと言っても過言ではない。

マドセンのオヤジ最高っす!


パルプ・フィクション(Pulp Fiction)                                                    
1994年アメリカ/監督 クエンティン・タランティーノ

衝撃的だった。大興奮だった。全く新しいスタイルの映画の登場だった。
長ったらしい意味のないくせに、妙にハマる会話。ツギハギな構造。飛んでる登場人物。全編に流れるイカした音楽。
全てが、斬新で新鮮!

そして、何と言っても嬉しかったのがトラボルタ復活!
「サタディ・ナイト・フィーバー」の頃から彼のファンだった私。
長い低迷期を越え、華々しくスクリーンに蘇って来た。あのダンスシーンはファンとして本当に嬉しかった。

全てのパズルのピースが見事にピタリとハマる瞬間が鳥肌もの!


ロック・ストック・トゥ・スモーキング・バレルズ(LOCK,STOK AND TWO SMOKING BARRELS)                
1999年イギリス/監督 ガイ・リッチー    

観終わった後、大興奮。
「パルプ・フィクション」以来の衝撃で斬新。
良く出来た脚本よねん。

英語ペラペラの友達と一緒に観に行ったので、その友達は「訛りが最高!」とも。
そう、多くの日本人はこの作品の面白さを50%くらいしか解っていないのかも…。
訛りと俗語のオンパレードで、そこが最高らしい。
英語が全く駄目な私は、ちと悔しいぞ。

で、作品自体最高なら音楽も最高!
オーシャンカラーシーンは、本作品同様に疾走感がいっぱい。
ストゥージーズやダスティン・スプリングフィールドetc…。
と、色々かっこ良い音が盛り沢山ですが、やっぱり一番はストーンローゼズの“fools gold”!


イイ男メモ スティーヴン・マッキントッシュ



大麻栽培をしていた、お坊ちゃま、ウィンストン役。
映画館で観た当時も、一番気になる存在だった。
冷たそうな目、薄い唇、薄情そうなお顔立ち。どれも、ツボ!




1967年4月30日 英国生まれ
奥さん、リサ・ジャコブスさん。子供、2人。

<主な出演作品>

1990年 メンフィス・ベル
1991年 ロンドン・キルズ・ミー
1995年 ブルー・ジュース
1996年 十二夜
1997年 ディファレント・フォー・ガールズ
1998年 スカートの翼ひろげて
1999年 ロック・ストック&トゥ・スモーキング・バレルズ
2000年 ザ・クリミナル       
「メンフィス・ベル」「ロンドン〜」「ブルー・ジュース」は観てるのに、全く記憶なし…(苦笑)


 ドーベルマン(DOBERMAN)                                                                                                      
1997年フランス/監督 ヤン・クーネン

とある教会で洗礼を受けようとする赤ん坊とその両親と立ち会い人の男。
そこへ一匹のドーベルマンがやって来て、男の腕に噛み付く。
その瞬間、男が手にしていた銃が空を舞い、赤ん坊が眠るベビーカーの中に落下する。
数十年後、パリで立て続けに銀行強盗事件が発生。
犯人は、洗礼を受けたその日に銃を手にした生まれながらの強盗、ドーベルマンと名乗る男とその一味だった…。

映画が終わった途端、一緒に観ていた友達と顔を見合わせ「ガハハハハッ!」と笑ってしまった作品。
決して、馬鹿にしているのではなくて、身体中をアドレナリンが駆け巡り、完全にハイな状態になってしまっていた。
それくらい、ハイスピードでイッちゃっているアクション!
今までに私の中にあったフランス映画の常識を打ち破られた。

これまた登場人物が皆濃い。
銀行強盗の主人公を追う刑事役の
チェッキー・カリョなんて、あまりの濃さにビックリ。「ニキータ」が信じられーん(笑)
ドラッグ・クイーンを演じるステファーヌ・メッツゲールの男なのにあの美しさ。
そして、「マレーナ」で日本を沸かせたイタリア美女のモニカ・ベルッチ!
「わーお!」的な美女ぶりに女の私でも生つばゴックンもの。

漫画的で、モヤモヤが一瞬で吹っ飛ぶ過激な作品。




カッセル氏、かっちょいいぞ!


フェロモン夫婦魅惑の共演!
ここでも2人はアツアツだっ!


名優、チェッキー・カリョ!
若手共演陣に負けじと、
異才を放つ、曲者!


 ベルベッド・ゴールドマイン(VELVET goldmine)                                 
1998年イギリス=アメリカ/監督 トッド・ヘインズ

グラムロックとオスカー・ワイルドを知らなければ、この作品の良さが分からないかもしれない。

時代は70年代頭。男性が化粧をし、ピチピチのパンツをはき、中世的な魅力でロックを歌う。
フリーセックスと薬に明け暮れる。 

ロック界に一躍スターダムにのし上がったブライアン(ジョナサン・リース・マイヤーズ)に強い憧れを抱く青年をクリスチャン・ベール。
もう、このクリスチャン・ベールは何て可愛いの!
周りの白い目にもろともせず、化粧をしコンサートに通う姿。カート(ユアン・マクレガー)と一夜を共にする姿。
あの『アメリカン・サイコ』の彼とは180度違っている(笑)

デビット・ボウイにイギー・ポップ、マーク・ボラン等のそっくりに似せた登場人物たち(イギーのユアンは、どうしてもカート・コバーンに見えてしまう…)
ロック好きなら、まずは観るべし。







この作品で大注目されたのは、
ブライアン役のジョナサン・リース・マイヤーズ。
美しい!






右はカート・ワイルド演じる
ユアン・マクレガー。
なりきりステージパフォーマンスは圧巻!



だが、私が一番注目したのは…
クリスチャン・ベール!!





まぁ、こっちの方が新しいが…
「アメリカン・サイコ」の彼。
天才子役も時には…










変身する!
ここでは、思いっきりお化粧して、
ブライアンの熱心なグルーピー!
彼が、こんな役を演じるとは思わなかった(笑)


ダスト(DUST)                                                            
2001年イギリス・ドイツ・イタリア・マケドニア/監督 ミルチョ・マンチェフスキー

死後、誰かが私の事を語ってくれるだろうか?

2000年のNY、空き巣に入った青年と家主の老女。
その老女が語る、100年前のアメリカ西部からヨーロッパへ渡った兄弟の物語。
スクリーン上で、この2つのお話しが時空を行き来する。

人は死に存在は無くなっても、その人のドラマ、魂は語り継がれる事により永遠に不滅である。
ラストシーンが見事にそれを表していて、2つのドラマが一つに…。

まぁ、小粒作品&地味で、あまり期待されると、ぎゃふんって感じかも。(苦笑)

兄弟の兄を演じるデビッド・ウェンハムがとてもステキだったなぁ。


ドライ・クリーニング(Nettoyageasec)                                                       
1997年フランス=スペイン/監督 アンヌ・フォンテーヌ

クリーニング店を営んでいる平凡な日々を送っていた一組の夫婦。
その夫婦が出会ってしまった夜のショーでステージに立つ青年。

中世的な魅力で奔放に生きていく彼と出会ったことで、夫婦が崩していくバランス。
淡々と淡々と、その様子が描かれていて、いきなりの、あのラストは驚いた!

青年によって微妙に崩されていたバランス、絆がその青年により更に強くなる。
夫婦って、やはり深い結びつきがあるものなのだと、改めて思った。

そして、中盤までは気付かなかった、もうひとつ裏側の愛のドラマだった。
見終わった後で、色々考えてしまう余韻のある一風変わった作品。


ノー・マンズ・ランド(NO MAN'S LAND)                                                                 
2001年フランス・イギリス・イタリア・ベルギー・スロヴェニア/監督 ダニス・タノヴィッチ 
   
恥ずかしながら、この映画を観るまでボスニア紛争について全く無知だった。
勿論、ニュース等で“耳にした事”はある。
が、その事情とその紛争が残した後遺症をこの作品で知った。

“ノー・マンズ・ランド”は中間地帯。
セルビアとボスニア両軍に挟まれた、いわば最前線。
どちらの領域でもない。
そこで出会った両国の兵士。

莫大な制作費を掛けなくても、多くのエキストラ、派手な戦闘シーンがなくても、素晴らしい反戦映画が作れると言う事が分かる。
もし、これがアメリカ映画だったら…。
きっと、ヒーローが出てきて、あのラストシーンはなかっただろう。
アカデミー賞外国語映画賞、「アメリ」を押さえ受賞したのも納得。

一瞬、交わろうとしたセルビア兵とボスニア兵。
そして、あの地雷。
これが戦争の現実なんだ。と痛感した。



セルビア兵のニノ(左)とボスニア兵のチキ(右)


国連防護軍もやって来る。
※フランス、イギリスを中心にスペイン、
イタリアなどのヨーロッパ諸国で構成。



ディナーラッシュ(dinnerrush)                                    
2001年アメリカ/監督 ボブ・ジラルディ

観終わった後は、楽しい仲間と美味しいイタリアンを無性に食べたくなる。

小粒ながらも、ピリリとスパイスが効いた秀作!

NY、トライベッカのイタリアレストラン、「ジジーノ」が舞台。
レストランを取り巻く人々のお話が次から次へと展開していき、美味しそうな料理の数々がスクリーンに映し出される。
レストランに並ぶ客、食べる客、料理を運ぶウエイトレス、作るシェフ。そんな人々を見つめる経営者。
そして、私たち。
開店前から閉店までの物語。

このレストラン、監督自身が副業で経営しているレストランそのもので撮影しているとの事。
だから、店内の照明や椅子や家具、厨房内など細部にわたって、“使い込んでいる”空気がプンプン。
厨房がやたら狭いのが、現実感たっぷりだった。

昔ながらのイタリア料理を愛する“ジジーノ”のオーナーと、新作料理の天才シェフに成長した一人息子。
この2人の店の経営権を巡る確執を中心に展開。
オーナーは実は賭けの胴元で、そのことが絡んで殺人事件が起こる。
色々な事件がやがて一つのラストに向かって、“ジジーノ”にて進んでいく…。

何と言っても、痛快、爽快なラスト!
文句なし!



ウード役のエドアルド・バレリーニ。
彼が最高にセクシーなのだ。ムフッ。


左はリチャード・ハリスの息子、ジェイミー・ハリス。
右はバーに長居するお客役のジョン・コルベット。


レストランのオーナーをダニー・アイエロ。
彼を初めて観たのはマドンナの
PV「パパ・ドント・プリーチ」だった(笑)


メルシィ!人生(Le Placard)
2000年フランス/監督 フランシス・ヴェベール

もう、のっけから大笑いの作品。

勤続20年働いた冴えない中年主人公。
ある日突然、「自分がクビにされる。」という情報を聞き付ける。
妻とは2年前に離婚。17歳の息子からも見下され、会社の連中にもバカにされている。
「もう、こうなると自殺だ!」と、マンションから飛び降りようとしたら、隣に引っ越してきた老人に止められ、訳を話すと、クビにならない方法を教わる。それは「ゲイのふり」をすること・・・。

差別、偏見、人は聞いた事だけで大きく人を判断してしまう。
そこをユーモアたっぷりに描き出し、どん底の主人公が次第に生き生きと自分の価値を見出し、周囲も徐々に彼を受け入れる。

名優達の演技が生き生きとしている。
主人公演じる、ダニエル・オートゥイユが最高!
また、差別主義者の人事部長役のジェラード・ドパルデューもこれまた最高!(「愛と宿命の泉」コンビ)
他にも、「奇人達の晩餐会」のティエリー・レルミット、「ぼくのバラ色の人生」のミシェール・ラロック、「パリ空港の人々」のジャン・ロシュフォールなどなど。

社員食堂やレストランで登場人物がオーダーするメニューの移り変わりも、その人の心情を表しているように思えた。
あと、主人公ピニョンが作るトマトソースとバジリコのスパゲッティ。
あれは、最高に不味そうだった(笑)

人生、何歳からでも生まれ変われる事が出来るんだ。
生きる事は素晴らしいし、やるだけやってみよう!!と、元気をくれた。(ベタな文句ですんません)

こんなに笑った映画は初めてだし、時にはホロリとさせられ、そして最期は清々しくなる最高の作品



このピンクのセーターは
爆笑の小道具!


隣に越して来た老人が抱えている
子猫が最高に可愛い!
因みに、私のこのHPの名前はこの子猫から…(笑)





めぐり逢ったが運のつき(CIBLE EMOUVANTE)
1993年フランス/監督 ピエール・サルヴァドーレ


TVで一度観ただけなんだけど、テンポ良く、すっごく可笑しかった一作。

主人公の殺し屋は独身で子供がいない。で、自分の後継者がいない。
そこで、偶然出逢った見ず知らずの若者(ギョーム・ドパルデュー)を自分の後継者にしようと決意。
だが、この若者がどんくさく、一人前の殺し屋にするには程遠い…。
で、この主人公の殺し屋に仕事の依頼が来る。
それは、ある女詐欺師の始末。
だが、主人公のプロの殺し屋でも、今回の件はなかなか上手くいかない。
そんな時、身の危険を感じたその女詐欺師が、主人公の殺し屋に身辺警護を依頼してきたから大変な事に…。

主人公は、「メルシィ!人生」にも出演していたジャン・ロシュフォール。
彼のいかにもマジメな顔立ちで、ここでは思いっ切り笑いを誘う殺し屋を好演。
マジメにしているのだけど、どこか可笑しい。
彼の後継者役ギョームがかっこ良い!
最近は徐々にお父さんのジェラールに似てきている?

ラストが大笑いのビックリ!
また、TVでしないかなぁ…。



主役のジャン・ロシュフォール。
「髪結いの亭主」で有名に
なったけど、まだ未見。

ドパルデュー親子



和気藹々!
もち、右がギョーム。



天国の口、終りの楽園(Y TU MAMA TAMBIEN)
2001年メキシコ/監督 アルフォンソ・キュアロン

映画を観るまでは、楽観的なバカンスムービーだと思っていた。
ところが大間違い。

青春真っ只中の17歳の少年フリオとテノッチがある日、美しい人妻ルイサと出会う。
3人は伝説の楽園「天国の口」を目指し、この夏一緒に旅をすることに。
これが、少年2人は大人になるための旅に、ルイサは最期の旅になる…。

のっけから、ボカシ大のベッドシーン。びっくりした(笑)
なかなか、激しいベッドシーンの連続で、度肝を抜かれた。
劇場は意外にも、40,50代のオバチャンが多くて、過激な描写に「あら、まぁ!」なんて呟いている声が多数聞こえたのには、可笑しかった(笑)
そう、メキシコの太陽と土、風、海がギラギラ、キラキラとした開放感たっぷりの風土そのまま、エッチシーンまで開放感いっぱい。
2人の少年は17歳だから、性欲爆発!(笑)
だけども、その裏で人妻ルイサの隠された秘密。
ルイサが開放的に2人の少年と愛し合う裏で、どうしようもない悲しみが彼女を襲う現実。
少年達もこの旅がお互いの分岐点となってしまう。

ルイサが夜、1人で泣きじゃくっているシーンは、なんとも悲痛だ。
悲しい秘密があるから、3人でいる時は大いにハシャギ、ふと1人になった時に悲しみが押し寄せて来る。
そのギャップが見ていて、苦しい。

ラスト、2人の少年のその後。季節は夏から冬。
もう、あの時には戻れない、お互いの道。
あの夏は一瞬の出来事だったんだなぁ…と、何だかここで急に切なさが胸に突き刺さる。

このラストシーンがあるから、「あっ、ちゃんとしたシリアスドラマだったのね」と再認識したり…(笑)


右(ドライバー)のガエル・ガルシア・ベルナルは注目大!可愛く、かっちょいい!




姉のいた夏、いない夏(The Invisible Circus)
2000年アメリカ/監督 アダム・ブルックス


姉(キャメロン・ディアス)がヨーロッパへ旅立ち、消えてしまった。
姉はどうしたのだろう?どうして自殺なんてしたの?
姉を大好きな妹(ジョーダナ・ブリュースター)が7年後、姉と同じルートを辿る旅に出る。
自殺の真相を探る為…。
手掛かりは、姉が旅先から出してくれた絵葉書。
そして、当時の姉の恋人に出会い、事実を掴んでゆく…。

この作品は劇場内の人が、3人ぐらいしかいなかった(笑)
でも、深く色々考えさせられる良い作品だと思った。

当時の妹には、姉は明るく優しく美しく、自由を追い求めるその姿は、憧れの象徴だった。
姉の当時の恋人と出会い、姉のルートを辿るにつれて、姉が追っていた希望と絶望を知る。
それを受け入れ、顔が少女から女へ徐々に変化していく。
妹と姉の絆。
そして、美しいポルトガルの景色と共に、妹の見事な大人への成長過程が映し出された作品。

これを観た時は邦画の「光の雨」の直後だった。
それもあり、キャメロン・ディアスが演じた様な若者が当時(1969年頃)には多かったのだろう。
自分たちが世界を変える!
私たちが革命を起こすのだ!
その希望が大き過ぎて、潰れてしまう。
そんな時代背景。
深く考えさせられる作品。



アメリカン・ビューティー(American Beauty)
1999年アメリカ/監督 サム・メンデス


この映画は、かなり好き嫌いが別れる様で、賛否両論。
アカデミー賞獲得。主演はクセモノのケヴィン・スペイシー

アメリカの家庭の崩壊を描いていているが、自分を騙して、世間の枠にはまるのが幸せか?
枠を飛び出し、家庭が崩壊しても、自分の本心に嘘を付かず、したい様をする方が幸せか?

振り返った時、自分は幸せだったと思える人生を成し遂げていたと感ずるのは、非常に稀で劇中のケヴィン・スペイシーが羨ましい。
人生は一度きり。改めて感じた。

タイトルまで痛烈なシニカルさの「アメリカン・ビューティー」。
アメリカ映画史に残る問題作。


メメント(MEMENTO)
2000年アメリカ/監督 クリストファー・ノーラン


※ネタバレ感想

■あらすじ■
レナードは妻がレイプされ、殺害された時、犯人に襲われる。
その後遺症で記憶が10分間しかもたない。
亡き愛する妻の為、犯人のジョン・Gを追う。
得た大切な情報のメモを取りながら、身体に刺青を彫りながら…。

■感想■
手法が面白かった。アイデア賞もの。
物語に関しては、レナードがただ哀れだった。

カラーの映像は、物語を遡る。
モノクロの映像は、カラーの前のお話でこれは普通の順序で、カラー(逆バージョン)の中に細切れに挿入させている。
だから、一度目は少々ややこしい。
頭の中で上手に繋いでいかないといけない。
でも、カラーの最後を観れば意外に解り易い結末(本当は冒頭シーンに当たる)だった。

「妻の為の復讐」が実は「自分の為」だった。
生きる為には目的がいる。確かに、目的や希望は不可欠。
私はレナードの事を「哀れ」と言ったけれど、ある意味、幸せ者なのかもしれない。
いつも「覚えられない」で困っていた彼は、真実を知り、絶望のあまり、その真実を「忘れたい」と望み、次の目的を作り出す。
(これは私たちの記憶においても同じ事。嫌な記憶はなるべく忘れようとし、自分の都合の良い様に書き換えようと願う。ん?似ている?)
レナードはそのお陰で、いつも、愛する妻の為に犯人を捜すという、生きる最大の目的が彼にはついて回るから。
本当はどうであれ、彼の中ではそれが真実であり、走り続ける糧なのだ。
普通に生きている私たちの中で、どれだけの人がそんな目的や糧を持っているだろう。
  


シティ・オブ・ゴッド(CITY OF GOD)
2002年 ブラジル/監督 フェルナンド・メイレレス

■あらすじ■

1960年代〜80年代。
ブラジルの都市リオ・デ・ジャネイロにある、「シティ・オブ・ゴッド(神の街)」と」呼ばれる貧民街で、少年ギャングたちの繰り返される闘争を、写真家を夢見る少年、ブスカペの語りで物語が進む…。

■感想■

76回アカデミー賞監督賞に、フェルナンド・メイレレス監督は本作でノミネート。
その時に、チラリと登場したこの映画の映像に強烈な印象。
で、実際に本編鑑賞…凄過ぎる!
貧民街での少年達の生活は、口をあんぐりするばかりで恐ろしく救いがない。
シティ・オブ・ゴッドに生まれなくて良かったよ。怖い〜。貧民街の実情に唸ってしまう。
が、写真家志望のブスカペや陽気なベネにホッとさせられる。だから、観られる。

そして、カメラワークや音楽がとにかくカッコイイ!!
メイレレス監督、上手すぎ。凄い作品を作ったもんだ。
エグイ話だけど、130分があっと言う間。

ハードな内容がOKな人は、一度は見るべし!



コックと泥棒、その妻と愛人(The Cook, The Thief, His Wife and Her Lover)
1989年 イギリス=フランス/監督 ピーター・グリーナウェイ


■あらすじ■

高級フレンチレストラン“ル・オランティーズ”のオーナーは泥棒のアルバート。
これがとんでもない男で、気に入らない奴には罵声を浴びせ、目を覆いたくなる程の暴力を振るう。
そんなアルバートの妻ジョジーナは、彼から逃れたいが、彼の残忍性を知り尽くしているので逃げられない。
そのジョジーナがひと目で惹かれるのが、本を片手に物静かに食事をするレストラン常連のマイケル。
ジョジーナとマイケルは、視線を交わし、寡黙な料理長リチャードの協力でレストラン内で情事を重ねる。
が、夫のアルバートが気付いてしまう。


■感想■

ピーター・グリーナウェイ初体験。
なんだか、という噂は聞いていて、前々から観たかった作品。

暴力に満ち溢れていて、エロティックで、ゴージャス!
いやぁー凄かった。
ストーリーもだが、舞台となるレストランのセット、駐車場、厨房から客席。特徴的なのがカメラはずっと横へ移動。それが舞台を観ている様な感じにさせる。
ゴシックなレストランに圧巻され、青・赤・緑・白のそれぞれの場所での印象的な色彩。特徴的なゴルチエの衣装。
そして、この人間の欲望と暴力が満ちたストーリーは、観る人によって、極端に感想が分かれるだろうなぁ。
悪趣味であり、嫌悪感を持つ人もいるだろが、毒を持った美にハマってしまう人、是非一度どうぞ!

エログロだけども、クローネンバーグとはまた違う世界。
こっちは、人間性のグロさ、神経に障るグロさかな。
 (上手く言えん…)




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